散策diary♪(保管庫・建築さんぽ)

都内および近郊の建築さんぽを楽しんでます♪

カテゴリ: メレル・ヴォーリズ

埼玉県入間市に行ってきました。
入間市は人生初!
お目当てはウィリアム・メレル・ヴォーリズ設計の日本基督教団武蔵豊岡教会です。



そもそも私が近代建築好きになったのは都内散策のおり、ヴォーリズ築の「西町インターナショナルスクール」
を見たのがキッカケです。
温かみが溢れた外観に一目ぼれ~
以来、彼の建築物を追っています。
彼の住んでいた近江八幡にも2度訪れました


ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
アメリカ合衆国に生まれ、日本で数多くの西洋建築を手懸けた建築家。
建築家でありながら、ヴォーリズ合名会社(のちの近江兄弟社)の創立者の一人として
メンソレータム(現メンターム)を広く日本に普及させた実業家でもある。
そしてまたYMCA活動を通し、また「近江ミッション」を設立し、信徒の立場で熱心に
プロテスタントの伝道に従事した(ウィキより)



彼の作った建物は全国各地に1000以上あるという話ですが、とりあえず手近な都内の
ヴォーリズ建築はほとんど見尽くし~
と思ってたら・・・埼玉にもあるとは知りませんでした




日本基督教団(日本キリスト教団)武蔵豊岡教会
建築日 大正12年(1923)1923年(大正12年)
設計 ウィリアム・メレル・ヴォーリズ



残念なことに数年前の道路拡張に伴う移築&大規模修繕により、建築当時の姿とは違い
ピカピカな外観でした





少々ガッカリ感もあったんですが、幸いにも礼拝堂の中も見せていただいたうえ、
牧師様から色々と興味深いお話も伺えて大感激でした




礼拝堂の天井はヴォーリズの設計書では吹き抜けになっていたところ、現地の大工さんは
納得できず、何度か事務所に問い合わせものの返事がこなかたっため、寺社風の
格子天井を作ってしまったんだとか





少々アンバランスな趣きながら、落ち着いた雰囲気が加味されて
とても温かみ感じる空間でした♪


  

聖壇の前の手すりのカーブはなんとも優雅でした
この手すりの前を「恵みの座」と言って、聖餐式の時に信徒がここで跪き、
パンと葡萄酒をいただくんだそうです。
聖杯は当時駐在アメリカ軍の兵士からの寄付の品だとか。


こちらは礼拝堂後方の二階席

  


格子柄の天井といい花頭窓ふうの窓といい、和のティストがアチコチに
おそらく西洋建築に馴染みがなかったであろう大工さん達の苦悩(笑)が
うかがえますねww





↑少々分かりづらくてスミマセン<(_ _)> 
中央部にかけて大きく面取りが施された手すりの柵です。
こういう「人への温かい心配り」を感じる意匠がヴォーリズ建築の大きな魅力です


牧師様によると、昨年出版された「日本の最も美しい教会」に、この武蔵富岡教会も
紹介されてるんだとか




最初はほんの少しでも礼拝堂内部を見せていただければ、と軽い気持ちで
牧師様にお声をかけたんですが、20分近く色々と興味深いお話を伺えて
楽しい時間を過ごさせていただきました
牧師さまのご好意に感謝感謝です<(_ _)> 



本郷三丁目駅を出たあとと、東大本郷キャンパスを目指したつもりが・・
方向を間違えてしまい大焦り~
赤門から入りたかったのに、どうやら春日門方向に歩いた模様
でも、その失敗が「怪我の功名」
明らかに近代建築と思われる建物を発見しました


 
上の画像はスマホで下の画像はデジカメで撮ったため、色合いが全く違いますね~

帰宅して調べてみると、なんとなんと元ヴォーリズ建築事務所の設計でしたw(゚ロ゚)w


日本基督教団 本郷中央教会 
竣工 :1929(昭和4)年
設計 : J.H.ヴォーゲル(ヴォーリズ建築事務所)/川崎忍
施工 : 辻組
登録有形文化財


大好きなメレル・ヴォーリズさん建築事務所の作品とは驚きでした
でもヴォーリズらしさがあまり感じられないような・・(-_-;)
ヴォーリズ建築事務所の作品リストにも加えられてないところを見ると、
おそらくヴォーリズ本人はかかわってないものと思われます(←あくまでも推測^^;)



この本郷中央教会のすぐそばのコンビニのあるビルも近代建築の匂いプンプン
でしたよ~ww



これまた帰宅後、調べてみると

さかえビル(旧近藤栄一邸)
薬学博士を施主とする薬学研究所を兼ねた事務所ビルで昭和前期に建てられたもの。
角地に建ち,隅切りの面に正面性をもたせたファサード構成をとる。
スクラッチタイル貼りで,要所にテラコッタの装飾を配したアール・デコ建築の佳品
となっている。登録有形文化財
文化遺産オンラインより)


2階の窓の装飾がいかにもアールデコ風のような気もするけど・・
コンビニの看板が目立ちすぎて、せっかくの雰囲気が台無しでした^^;


と、そんなこんなで撮影に手間取り(笑)、やっと東大「春日門」にたどり着き



ところが、東大キャンパス内に入ってすぐの建物に、またまた衝撃~

  

   


なんとも大胆な木の板が組まれた(?)大迫力の建物
このタダモノではない(笑)雰囲気は、さぞかし高名な建築家の作品では?
・・・はい!隈研吾さんの設計でした
「和の大家」と呼ばれる彼の個性が沸き立ってましたよ~


この「ダイワユビキタス学術研究館」は、東京大学の教育研究に資するため
大和ハウス工業株式会社が寄贈したんですって

その大和ハウス工業のHPによると
構内通路側は不燃処理を施した杉板を用いて、ウロコ状のファサードを形成し、
従来のキャンパス建築にはない、やわらかく暖かい表情を作り出します。
また、杉板の使用は大気中のCO2を固定し、地球温暖化を抑制する機能を果たします。
隣接する懐徳館庭園側のファサードには、日本を代表する左官職人である挾土秀平氏により、
透過性を持つ特殊な土壁を配し、日本庭園と建築との融合を図ります。


だとか。
いや~、素晴らしい


最近、よく耳にする「ユビキタス」という言葉すらサッパリわからない私ですが、
この建物には感銘を受けましたww
2020年東京オリンピックに向けて急ピッチで建設中であろう新国立競技場にも
期待大です、隈研吾さん


ここ数年、近代建築巡りを楽しんでる私ですが、一番お気に入りの建築家は
ヴォーリズさん

ウィリアム・メレル・ヴォーリズ
明治38年に滋賀県立商業学校(現八幡商業高校)に英語教師として来日以来、
熱心なキリスト教伝道活動を行うとともに「建物の風格は、人間と同じく
その外見よりもむしろその内容にある」という信念のもと、全国で約1600にも
及ぶ建築設計に携わりました。
またメンソレータム(現メンターム)を日本に輸入し、サナトリウムの建設や
学校&図書館の設立など、多岐にわたる社会貢献事業を展開しました。

昨年は、かつて彼が住んでいた近江八幡にも訪れて、大感動でした
できることなら、今なお残っている彼の建築物を全部見て回りたいと思ってるんですが・・
なにしろ彼の作った建物は全国各地に1000以上!
なかなか思うように実現できてません(涙)

これまで観た建物は
山の上ホテル(東京都千代田区) 
早稲田奉仕園スコットホール(東京都新宿区)
日本基督教団大阪教会
日本基督教団浪花教会(大阪市中央区) 
大丸心斎橋店(大阪市中央区)
旧居留地38番館(神戸市中央区) 
東華菜館(京都市下京区)
ヴォーリズ記念館(ヴォーリズ夫妻自邸)(近江八幡市)
池田町洋館街(近江八幡市)
旧吉田邸 1913
旧ウォーターハウス邸 1913
ダブルハウス 1921
などなど

全部制覇は無理でも、せめて東京に残存してる建物は制覇した~い
ということで、先週末は明治学院大学に行ってきました

明治学院.jpg

明治学院大
ジェームス・カーティス・ヘボンが横浜に開いた「ヘボン塾」を起源とする
日本最古のキリスト教主義学校(ミッションスクール)
1949年に新制大学として発足し、現在では6学部15学科、7研究科を擁する。

大学構内にあるヴォーリズ建築の礼拝堂は、ヴォーリズ自身の結婚式に使われたことでも
知られてます
シンプルな装飾と厳かで静かな佇まい、素晴らしかったです
これまで観たことのあるヴォーリズ建築の中では一番好きかも~

礼拝堂.jpg 礼拝堂2.jpg 礼拝堂3.jpg

1916(大正5)年に建築され、「東京都港区有形文化財」や「東京都港区景観上重要な
歴史的建造物等」に指定されてます。



明治学院大学内には、この礼拝堂以外にも洋館が
こちらはインブリー館

インブリー館.jpg インブリー.jpg

インブリー館
明治学院が白金に開校した際、教鞭をとる宣教師たちのために4棟の住宅が建てられた。
その宣教師館の1つがこの建物で、1889(明治22)年頃に、当時のアメリカ木造住宅の様式を
取り入れて建築された。ここに長く住んだW.インブリー博士の名にちなんでインブリー館と
呼ばれているが、都内に残る宣教師館で最古のものであり、国内でも2番目に古いものである。
この建物の外部は、下見板張りと言われる外壁仕上げで、特に軒に近いあたりで手の込んだ
張り方になっているが、これはシングル・スタイルという当時のアメリカ木造住宅のデザイン
を持ち込もうとしたためではないかと思われる(大学HPより)

都内で最古の宣教師館ということで、少々古風な趣でした
アーリーアメリカン風?
これも「国の重要文化財」「東京都港区景観上重要な歴史的建造物等」の指定を受けてます。

こちらは記念館
記念館.jpg 記念館2.jpg 記念館入り口.jpg

明治学院記念館
入り口に1890(明治23)年の竣工年を示す文字が刻まれているこの建物は、
アメリカ人宣教師H.M.ランディス教授の設計によると言われている。
当時アメリカで流行したネオゴチック様式の総赤煉瓦、フランス瓦葺の2階建てで、
中には神学部の教室・教授室と学院の図書館が置かれた。
建設当時在校した島崎藤村は、小説『桜の実の熟する時』の中で「まだペンキの香のする
階段を上って行って2階の部屋へ出ると、そこに沢山並べた書架がある」と、この建物の
中の自身の姿を描いている。(大学HPより)

どの建物も保存状態が良く、キャンパスの中にしっかりと馴染んでいるようでした

キャンパス内には、創立者であるヘボン氏の像やヴォーリズの名前を冠した「ヴォーリズ広場」も!
ヘボン.jpg ヴォーリズ広場.jpg

ジェームス・カーティス・ヘボン
米国長老派教会の医療伝道宣教師であり、 ヘボン式ローマ字の創始者。
医師。ペンシルベニア州ミルトン出身。
幕末に訪日し、横浜で医療活動を行った。
宣教師デュアン・シモンズと共に、横浜の近代医学の基礎を築いたといわれる。
その功績を称えて、横浜市立大学医学部にはヘボンの名を冠した講堂「ヘボンホール」がある。
また、東京で明治学院(現在の明治学院高等学校・明治学院大学)を創設し、初代総理に就任。
日本の教育にも貢献した(ウキィペディアより)

ヘボン氏の名前はローマ字創始者ということで教科書にも載ってましたが、
医学部門でも大きな功績を残した人とは知りませんでした。
専門は眼科で、当時眼病が多かった日本で名声を博したとか

都心とは思えぬ静かな環境のなか、歴史ある建物に囲まれて勉強できる学生さんたちが、
とても羨ましかったです

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